ファッション関連の仕事に就きたいです。何から始めればいいですか?

ファッション関連の仕事といっても、実際にはいくつもの職種に分かれています。まずはそれを理解するところから始めてみるといいのではないでしょうか。

■製作

メーカーの工場やアトリエでものづくりをする仕事。服飾や雑貨などの素材の縫製、加工を行います。いわゆるブルーカラーの単なる製造職とは異なり、商品によっては職人レベルのスキルが求められることもあります。また、製作に取り掛かるためにはその前段階となるデザインが欠かせません。そのフェーズを担当するファッションデザイナーやパタンナーの仕事も大事になってきます。

■流通

製造されたファッション商品に付加価値をつけ、市場に流通させる仕事。中でもメーカーや店舗で商品開発や販売計画、予算管理などを担当しているマーチャンダイザーは大きな役割を担っています。その他、マーケティングの一環として市場調査を行った上で宣伝・広告などのプロモーションやイベント企画を行うマーケターという職種もあります。

■販売

洋服やアクセサリーなどを消費者に届ける仕事。店舗に立ち、お客様への接客・販売を行うのがメインですが、その他にも売上や在庫の管理、品ぞろえのチェックなど販売に関連する一連の事務作業も行います。またお客様のTPOを聞き出して最適な商品や着こなしを提案するコンサルティング的な立場になるとファッションアドバイザーと呼ばれることもあります。

■コーディネート

使う人の特徴や好み、シーズンなどを踏まえて素材や色の組み合わせを考え、お客様にぴったりの商品を提案する仕事。主にファッションコーディネーターと呼ばれます。お客様と直接やりとりしながら提案することもあれば、売り場やウインドウのディスプレイコーディネートを任されることもあります。それだけではなく、プロモーションやイベントを企画するコーディネーターも存在します。

着る

実際に制作された服を着て、服や企業のPRを行う仕事。ファッション関係は、作ったり、販売したりするだけでなく、実際に着る仕事もあります。主にモデルと呼ばれています。ブランドや企業、コンセプトに合ったモデルが起用され、雑誌やCMなどで多くの人に見られるのがメインです。また、着るだけでなく、モデルから俳優業や歌手業などにチャレンジできる可能性があるのも、モデルの特徴です。商材によっては体の一部分のみを使うモデルもあります。

このように、担当しているフェーズによって求められるスキルなどは少しずつ違ってきます。自分が何をやりたいのか、何に向いているのかを考えながらめざす職種をしぼっていきましょう。その上で学校に通い、ファッションについての基礎的な知識から最新の動向まで幅広く身につけることをおすすめします。ファッションとビジネスを体系的に学べるのが国際ファッション専門職大学。グローバルに活躍できる人材を育てるというテーマで実践的な学びを展開していく予定になっています。学びを通して自信をつけ、ファッション業界で輝ける人になれるといいですね。

ファッション業界で働く上で求められるスキル

ファッション業界で働く場合、必ずと言っていいほど、「ファッションの基礎知識」と「接客のスキル」、「コミュニケーションスキル」が求められます。

・ファッションの基礎知識

先述した通り、基礎だけでなく、最新の動向まで幅広い知識が求められます。服を作る上で、服がどんな構造をしているのか、どんな繊維を使っているのか、使われている繊維の特性などを知っておかなければなりません。また、基礎的な知識だけでなく、あると役立つスキルを身につけておくと便利です。例えば、色彩に関する知識を身につけておくと、センスのある色の組み合わせや、その人にあった服の選び方ができるので役立ちます。

・接客のスキル

ファッションの業界で働く上で必ずと言っていいほど求められる知識です。アパレルブランドに就職した場合、最初は実際の店舗に配属されることが多々あります。アパレル業界は基本的にお客さんに洋服を販売する業界ですから、必ず必要になります。具体的には、お客さんに対して服装のアドバイスや相談などに乗り、販売までつなげるスキルです。

・コミュニケーションスキル

接客のスキルはコミュニケーションスキルに組み込まれる場合もありますが、ここでのコミュニケーションスキルは、お客さんではなく、社内やクライアントなど、ビジネス的なコミュニケーションスキルです。服を作る工程には、多くの職業が関わっています。関わっている人々が連携をして仕事をする必要があるのです。そのため、社内の人と円滑にコミュニケーションができるスキルは必ず持っておきましょう。

こういったスキルは専門職大学などで学ぶこともできます。とはいえ、接客のスキルを身につけるのはなかなか難しいでしょう。接客のスキルを身につける、学生時代にアパレルショップでアルバイトをすることをオススメします。実際に店舗で働くことで、現場で役立つ接客のスキルを身につけることができます。本気でファッション業界を目指したいなら、私生活でもスキルを磨くように意識してみてくださいね。

更新日2022年04月08日